(2023/12/28更新)
筋トレが流行り出して久しい昨今。
筋トレは体に良いと言うことはよく聞くけれど
具体的に何がどう良いか分からなくて、筋トレをなかなか始めるに至らない人もいるかと思います。
また筋トレに関して下のようなイメージを持っている人は是非この記事を読んでみてください。
- マッチョになりたい人や意識高い系がするもの
- 女性らしい体つきが損なわれてしまう
- ただただ、しんどい
- ジムに行かないといけない
記事を読んでもらうと何故筋トレが体に良いのか、全ての人が筋トレを始めるべき理由がわかるはずです。
看護師歴、筋トレ歴10年以上。
全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会の資格を
持っている私が紹介します。
筋トレの効果は多岐にわたる為、厳選した3つの効果を紹介します。
では早速いきましょう!!
筋トレは死亡率を下げる
筋トレは筋力を高めたり、筋肉量を増やすと言うことは安易に想像できるのではないでしょうか?
近年ではこれらの効果に加えて病気による死亡率を減少させることもわかってきました。
また筋トレは癌による死亡率を33%減少させる。
と言う事実も明らかになりました。
アメリカ・スローンケタリング記念がん研究所のレマンヌらは、2013年、がんと診断された18歳から81歳の男女2863名を対象に、筋トレによる死亡率の影響を調査しました。
その結果トレーニングを一週間に一回以上行っている場合、トレーニングをしていない場合と比べて、死亡率が33%減少していることがわかったのです。
更に驚いたことに
週2~3回のトレーニングは、あらゆる病気の死亡率を減らす。
そのことを証明したのが、アメリカ・ミシシッピ大学のダンケルら。
ダンケルらは20歳以上の男女8772名を対象にして、平均6.7年の追跡調査を行いました。
また、週単位のトレーニング頻度も合わせて調査しました。
その結果、トレーニングを継続的に行っている場合、トレーニングを行っていない場合と比べて、「全ての病気の死亡率が23%減少する」事が示されました。
これらの効果は「ジムでのトレーニング」と「家での自重トレーニング」によるものでも同等の効果があり、両方の環境で行った場合はさらなる死亡率の低下が示されました。
人生100年時代ですが、どうせなら健康で100年過ごしたいですよね。
週一回の筋トレでも効果はあるので無理せず初めてみましょう。
ちなみに1ヶ月にかかる患者1人当たりの医療費は、入院の場合は約48万円、通院で4万円弱となっている(厚生労働省調べ)ので筋トレはお金にも優しい。
筋トレは睡眠の質を上げる
生きていく中で、睡眠をいかにとるかは非常に重要な課題ではないでしょうか?
多忙な仕事や不規則な生活は、肉体だけでなく、精神にも不調を来します。
睡眠不足は具体的に下のような影響を及ぼします。
- 認知機能の低下:
- 集中力が低下し、思考力や判断力が鈍る可能性があります。
- 情報の処理速度が遅れ、学習能力が低下することがあります。
- 情緒面への影響:
- 不安感やイライラが増加しやすくなります。
- 感情のコントロールが難しくなり、ストレスへの対処が困難になることがあります。
- 免疫機能の低下:
- 免疫システムが弱まり、風邪や他の病気にかかりやすくなります。
- 睡眠不足は慢性的な炎症を引き起こす可能性があります。
- 代謝の変化:
- 血糖値の上昇やインスリンの効果低下が見られることがあり、糖尿病のリスクが上がります。
- 食欲を増加させ、体重管理が難しくなることがあります。
- 心理的健康の悪化:
- 睡眠不足はうつ病や不安症状の発症リスクを増加させる可能性があります。
- 長期的な睡眠不足は精神的な健康に悪影響を及ぼすことがあります。
- 身体的な影響:
- 眼の疲れやドライアイなどの視覚障害が起こることがあります。
- 筋肉の疲労や痛みが増加し、身体のパフォーマンスが低下する可能性があります。
- 事故リスクの増加:
- 運転時の注意力低下や反応速度の遅れが交通事故のリスクを増加させることがあります。
- 作業中のミスや怪我の発生率が上がります。
- 長期的な健康リスク:
- 心血管疾患や高血圧、2型糖尿病などの慢性疾患の発症リスクが増加する可能性があります。
- 寿命の短縮が報告されています。
そんな重要な睡眠に対して
筋トレは睡眠時間は増やさないが、質を向上させると言う事が判明しました。
マクマスター大学のコワセヴィッチらは、筋トレと睡眠に関する13もの研究を発表しました。
その中で習慣的な筋トレを行っている人は、徐波睡眠(ノンレム睡眠の1番深い領域。深く眠っている時と理解してもらえば良いです)が長いと言う事が判明しました。
またこの事実に加え、筋トレの「総負荷量」と「週の頻度」が睡眠に与える影響についても統計的な解析を行いました。
その結果、睡眠の質は、少ない総負荷量よりも高い総負荷量で改善し、少ない頻度(週1~2)よりも多い(週3)で改善する事が示されました。
※これらの研究は世界で初めてだそうです。
日本人の睡眠不足は深刻で経済的にも損失は大きく。
アメリカのシンクタンクのある調査によると、寝不足による日本の経済損失を金額換算すると15兆円だと言われてるそうです。
日本のGDPは400兆円か500兆円ぐらいなので、けっこうな割合ですよね。
筋トレは精神状態を改善する
日本人は欧米人に比べて、不安障害やうつ病が多い事が知られています。
精神医学や脳医学ではこれらの原因は、セロトニンの発現量の違いであることを明らかにしています。
そこで、精神医学などは不安などを改善させる効果があるものとして、有酸素運動に注目していました。
有酸素運動が不安を改善させるメカニズムとしては、セロトニンやエンドルフィンと行った神経伝達物質、神経成長因子の関与が示されていました。
近年「筋トレ」も不安を解消する運動として注目を集めています。
2017年に世界で初めて、筋トレと不安やストレスとの関係を調査した16もの研究報告をまとめて解析したメタアナリシスが報告されました。
その中で筋トレは、健常者の不安を大幅に改善させるとともに、不安障害などの患者の不安も改善する事が示されました。
また筋トレはうつ病への効果もあります。
運動をしない人に比べ、運動をする人は、心身の健康が悪化した日が過去1.49日少なかったのです。なお、過剰な運動はメンタルへの悪化に繋がる事もわかりました(1回3時間、週5時間以上)。
筋トレを行っていた被験者では、週3~5回、1回45分以上のトレーニングで20.1%にメンタル改善の効果が認められています。
落ち込んだり、不安だったりするときには筋トレをしましょう!!
ちなみに私はほとんど不安になったりすることがありません。
まとめ
以上が人生を変える!?筋トレの効果厳選3つでした。
筋トレはただ筋肉量を増やしたり、筋力を上げるものだと思っていた方にも新しイメージを持って頂けたでしょうか。
筋トレと言うとマッチョになりたい人や、意識高い系の人たちがするものだと言うことではなく、健康を増進するために、全ての人に非常に効果的なものだと言う事を理解して頂けたら幸いです。
人生100年と言われる昨今ですが、病気になると医療費は馬鹿になりません。健康寿命を筋トレで伸ばしていきましょう。
ではまた次回!!
(参照:庵野拓将、科学的に正しい筋トレ、株式会社KADOKAWA、2020/7/20第10版)