(2025/6/21作成)
「ベンチプレスのたびに肩が痛い…」
「胸を鍛えてるつもりが、いつも肩ばかり疲れる…」
「このまま続けて大丈夫なのか、不安になる」
そんな悩み、ありませんか?
実はその「痛み」には、明確な原因と、正しい対処法があります。
この記事では、医療とトレーニングの両方を学んだ現役看護師トレーナーの視点から、肩を痛めずにベンチプレスを安全に効かせる方法を徹底的に解説します。
まず結論:「肩が痛い」は黄色信号です

ベンチプレスで肩が痛むのは、「正しいフォームでできていない」か「無理な負荷をかけている」可能性が高いです。
「これくらいは我慢できる痛みだから」と続けてしまうと、腱板損傷やインピンジメント症候群などの深刻な肩トラブルに発展しかねません。
一度肩を壊してしまうと、日常生活にも支障が出る上に、トレーニング復帰まで何ヶ月もかかるケースもあります。
だからこそ、今この記事を読んでくれているあなたには「壊してから後悔する前に」正しい知識を持ってもらいたいのです。
よくある肩痛の原因と対処法

ここからは「やっちゃダメ筋トレ図鑑【胸トレ編】」として、特にベンチプレスにおける5つの“やっちゃいけない”フォームとその改善法を紹介していきます。
①肩が痛いのは“肩が前に出ている”からかも?
『バーを下ろすたびに肩の前側がズキッとする…。正直、毎回怖い。』
原因:胸を張らず、肩が前に飛び出たままベンチプレスをしていると、肩の前部(前部三角筋)に大きな負担がかかります。
このフォームは肩関節を不安定にし、炎症やインピンジメントを招きやすいです。
解決策:
✅ ベンチに寝たら、胸をしっかり張る(肩甲骨を寄せて落とす)
✅ 肘は真横ではなく「やや斜め下」に向けてバーを下ろす
✅ 肩は下げたまま、胸で受け止める意識を持つ
②重さへの執着が肩を壊す
『とにかく重量を伸ばしたい!でも最近、肩が痛くて思い切り押せない…。』
原因:フォームが崩れた状態で高重量を扱うと、肩関節や腱板に無理な負担がかかります。トレーニング効果も落ち、痛めやすくなるという悪循環。
解決策:
✅ まずは「痛みが出ない重量」でフォームを固める
✅ 自分に合った重さ(RM70〜80%)で丁寧にコントロール
✅ 肩が痛む日は無理せず、代替種目(ダンベルプレスやマシンプレス)に切り替えを
③背中がベタ寝=肩に全部のしかかる
『ベンチにぺたっと寝て動作してるけど、肩が毎回つらい…。』
原因:背中がフラットな状態では、肩甲骨が動きやすくなり、肩の安定性が失われます。その結果、肩関節に集中的にストレスがかかる。
解決策:
✅ 軽く腰を反らせて「アーチ」を作る(自然な胸の張り)
✅ お尻は浮かせず、しっかり接地
✅ 背中をベンチに押し付ける意識ではなく、胸を高く保つ意識で
④腕で押している=胸に効かない・肩が壊れる
『胸トレしてるのに、いつも腕と肩だけが疲れる…』
原因:腕で押しすぎていると、肘や肩への負荷が増加。肝心の胸には効かず、怪我だけしやすくなるという残念な結果に。
解決策:
✅ バーを強く握りすぎず、力は「胸から伝える」意識
✅ 肘の位置と胸の収縮を感じながら、丁寧に押し込む
✅ 難しい場合は、まず軽めのダンベルプレスで感覚を養うのもおすすめ
⑤グリップ幅が広すぎるのも落とし穴
『グリップを広げた方が胸に効くと聞いたけど、肩がめっちゃ痛い…。』
原因:過度に広いグリップは肩関節にねじれ負担がかかり、ケガのリスクが増大します。特に胸の柔軟性が低い人には大敵です。
解決策:
✅ 肩幅より拳1.5個〜2個分広めの位置がベースライン
✅ 手首を立てて、バーを手のひらの下で安定させる
✅ 肘の角度は常に約75度を意識(真横に広げすぎない)
ベンチプレスで肩を痛めないための習慣3つ

①ウォームアップは“動的ストレッチ”と軽重量から
→ 肩周りの可動域を広げてから重量に入ることで、スムーズに安全に動作できます。
②痛みが出たら「すぐ中止・原因を探す」
→ 痛みを我慢して続けるのが一番危険。記録よりも身体が優先です。
③トレーニング日誌をつける
→ 重さ・回数・フォーム感覚・痛みの有無を記録していくことで、問題点を客観視できます。
医療的にも注意!肩の構造は「弱い関節」

看護師としても強く伝えたいのは、肩関節は構造的に不安定で壊れやすい関節であるという事実です。
・肩関節は360度動く分、筋肉と腱に依存して安定しています
・三角筋・ローテーターカフ(腱板)・関節包がバランスよく働くことで、ようやく正しく動きます
・ベンチプレスのような高負荷動作では、このバランスが少し崩れるだけで損傷のリスクが跳ね上がります
つまり、「ちょっとしたズレ」でケガが起こるのが肩なんです。
最後に:あなたの体は替えがききません
「トレーニングで体を変えたい」
その気持ちは本物だと思います。僕自身も、同じ思いで筋トレにのめり込んできました。
でも、正しく鍛えないと、努力が痛みに変わってしまう。
それは本当にもったいないことです。
この記事が、肩の痛みに悩んでいる方の「気づき」になれば嬉しいです。
そして、痛みなく、効かせたい場所にしっかり効かせるトレーニングができるようになりますように。
✅まとめ|肩を壊さないポイント

- 胸を張る・肩甲骨を寄せて固定
- 重量よりフォーム重視
- 背中は軽くアーチを作る
- 胸主導で押す
- グリップ幅は広げすぎない
- 痛みを感じたら、即ストップ&修正
