(2025/12/23作成)
「腰がずっと重い」
「肩こりが慢性化していて、もう当たり前になっている」
子育て中のパパから、非常によく聞く悩みです。
多くの場合、ここで出てくる答えはこうです。
「運動不足だから」
「筋トレしないとダメだよね」
ですが、看護師として医療現場に立ち、
パーソナルトレーナーとして身体を見てきた立場から言うと、
その認識は、かなりズレているケースが多い。
この記事では、
- なぜパパの腰痛・肩こりが起きるのか
- なぜ「筋トレ不足」だけが原因ではないのか
- 今日から意識すべき本当の優先順位
を、医学的な視点をベースに、
子育て中の生活実態に即して解説します。
結論:原因は「筋力」よりも「使い方」と「回復」
まず結論からお伝えします。
パパの腰痛・肩こりの主な原因は、
- 筋力不足そのもの
- ではなく
- 筋肉の使い方の偏りと、回復不足
この2つが重なって起きています。
筋肉は「弱いから痛くなる」のではなく、
同じ部位だけが使われ続けることでトラブルを起こすことが多い。
理由① 子育て動作が「偏った負荷」になっている
子育て中のパパの1日は、
実は腰や肩にとってかなり過酷です。
- 子供を抱き上げる
- 中腰でオムツ替え
- 前かがみでの抱っこ
- 片腕だけでの作業
これらの動作に共通するのは、
同じ筋肉を、同じ角度で、何度も使うという点です。
特に、
- 腰:背中側の筋肉
- 肩:首〜肩甲骨周り
ここに負担が集中します。
これは筋力不足というより、
負荷のかかり方が一方向に偏っている状態です。
理由② 「休めていない筋肉」が増えている
筋肉は、
使う → 休む → 回復する
このサイクルで正常に働きます。
しかし子育て中は、
- 睡眠の質が下がる
- 日中も細切れ動作が多い
結果として、
筋肉が“休めないまま使われ続ける”状態になります。
医療的には、
この状態を
- 筋疲労の蓄積
- 軽度の炎症
と表現します。
この段階で筋トレを足すと、
「鍛えているのに、余計につらい」
という逆効果が起こります。
理由③ 自律神経の影響を見落としがち
腰痛や肩こりは、
筋肉だけの問題ではありません。
子育て・仕事の両立で、
パパの身体は常に緊張状態にあります。
これは自律神経でいうと、
交感神経が優位な状態です。
交感神経が優位になると、
- 筋肉が硬くなる
- 血流が下がる
- 痛みを感じやすくなる
結果として、
特に何もしていないのに、ずっと重だるい
という感覚が続きます。
「とりあえず筋トレ」が危険な理由
腰痛・肩こりがあると、
「背中を鍛えよう」
「腹筋をやろう」
と考えがちです。
ですが、
- すでに緊張している筋肉
- 回復できていない筋肉
にさらに負荷をかけると、
- 痛みの慢性化
- 可動域の低下
- 運動嫌い
につながりやすい。
これは意志や根性の問題ではなく、
順番の問題です。
今、優先すべき3つの順番
では、何から始めるべきか。
① 緊張を抜く
- 深呼吸
- 首・肩を大きく回す
- ゆっくりしたストレッチ
② 使われすぎている部位を休ませる
- 同じ姿勢を続けない
- 抱っこ姿勢を左右で変える
③ その後に、軽い運動
- 痛みが出ない範囲
- 短時間
- 「楽になった」で終える
この順番を守るだけで、
体感は大きく変わります。
まとめ|腰痛・肩こりは「頑張りすぎ」のサイン
パパの腰痛・肩こりは、
- 筋トレ不足
- 意識の低さ
ではありません。
毎日、家族のために身体を使い続けている結果です。
必要なのは、
もっと鍛えることではなく、
正しく整えること
無理に強くならなくていい。
壊さずに、使い続けられる身体を作りましょう。

