宿の扉を開けた瞬間、肌を刺すような冷気。吐く息は一瞬で白くなり、寒さを視覚で感じる。手がかじかむのを防ぐように、ポケットに手を入れながら空を見上げる。辺り一面に散る星が燦然と輝く。
AM3:30、ツアー会社の迎えの車が到着。同じツアーに参加する人達は乗車済み。全員日本人で車内は安心ムード。みんな南米を旅しているらしく、色々詳しい。
途中無料でダウンと長靴をレンタルし、さっそく塩湖に向かう。順調にガタガタ揺れる道路を進む。しかし、途中デモ?ストライキ?が行われており、道路が封鎖。何台もの車が足止めされており、全く進まない。結局30分程粘ったが、違うルートから行く事に。
違うルートはほぼ未舗装道路で、砂埃で視界は塞がれ、至る所に砂漠で見るような草が生えている。そんな中、4駆の車は大型動物のように走り抜けていく。本来の姿を取り戻して、生き生きとしているように感じるほどに。
荒れた道無き道が徐々に白く変わっていく。気がつけば辺り一面塩。塩湖の名に相応しい。
ここで余談。何故標高が富士山ほどの場所に塩が有るのか。
ウユニ塩湖
数百万年前にアンデス山脈が隆起した際、海底が海水ごと持ち上げられ取り残された。やがて海水が干上がるに従って水分の中の塩が固まり、いくつかの塩湖となったらしい。
流れ込む川のないウユニ湖は、一面真っ白な塩に覆われ、今でも湖には塩分の濃い水が染み出している。
塩湖の大きさは約120km×約100kmあり、面積は約1万2000km2、約20億トンという膨大な塩がここにあることになるらしい。
そうこうしているうちに到着。残念ながら到着時、雲が辺りを覆い星空は見れなかったが、暗闇を利用してちょっとした遊びを。


ボリビアで無事パリピデビュー。煌煌としたネオンのような光とは無縁な人生だったけど、まさかここで触れ合うとは。
これらの写真は、一眼レフを渡せばガイドが全てやってくれる。今日ほど、荷物の中で1番重い一眼レフを持ってきて良かったと思った日はない。
この場所でサンライズまで待機。塩湖は遮るものがなく、風が直接当たる為、寒さがより強く感じる。そして、何より辺りは一面水。長靴の中の足は、冷たいを通り越し痛い。写真を撮る手もすぐに痛くなる。そして高山病の頭痛。全末端の痛み。もはや修行。
いつも思うけど、美しい場所に行くには試練がある。だから美しいさを保持できているんだろうけど。
徐々に空が白んでいく。水が光を反射し、辺りを鏡に変えていく。空と陸の境目はなくなりあらゆる物が浮いて見える。気がつけば、身体の痛みは感じなくなり、ただただ景色の一部になってしまう。想像を越えて美しい。乾季なのに水が張っていて良かった。
まぁ百聞は一見にしかず。



一緒にツアーに参加した人達とも記念撮影。


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喉元過ぎれば熱さも忘れるの逆バージョン、感動薄まれば寒さと痛み思い出す。帰りはしっかり、頭痛を持ち帰りました。肉体的なポイ捨ても許されなかったですね。
帰りも塩の中を駆け抜けて行く。運転が楽しそうで、代わってもらいたかった。
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AM8:00 宿到着。宿で朝食を済ませて現在に至る。気がつけば高山病消失。そろそろ身体が慣れてきたかな。ただちょっと階段を登るだけで、あいも変わらず動悸はする。
今日はこれから特にすることもなし。明日は丸一日ツアーなので、身体を休める。
噂によればブラジルのVISAが6/17になくなるみたいなので、イグアスの滝ブラジル側からも挑戦出来るみたい。今日一の朗報。