今年も残りわずかになってきた今日この頃。皆さんはどうお過ごしでしょうか。
サザエさん症候群を患いながら明日に備えている?それとも何も考えず楽しくM-1を見ている?忘年会なう?1人で筋トレ?
各々素敵な日曜日の晩を過ごせていたら幸いです。
ちなみに僕は今日忘年会でした。
フリースペースを貸し切り、25名の紳士淑女とともにAM11〜PM5まで食べて、飲んで、喋って、吐いて。ジョジョに出てきそうなぐらいキャラが濃い人たちとの会話はとても面白いもんです。
そんな素敵で健全な時間は終わり、今1人でこれを書いています。これを書き終えたら、明日の仕事の資料を読んで、資料作成もしないといけないという現実から、目を背けるようにキーボードを弾いています。ただただキーボードを弾いています・・・。
と言うことで現実逃避を兼ねて今週も小説を紹介(もう少し現実を忘れさせて)。今週紹介するのは
最後の将軍 −徳川 慶喜−

面白い度 ★★★★(5点満点)
為になる度 ★★★★(5点満点)
<著者情報>
著者:司馬遼太郎
大正12年、大阪市生まれ。
大阪外国語学校蒙古語学部卒業。
直木賞、菊池寛賞、読売文学賞、朝日賞など様々な賞を受賞しており、代表作に「燃えよ剣」、「龍馬がゆく」、「坂の上の雲」、「世に棲む日々」など多数の名作を輩出した。
平成8年没
<初版発行日>
発行年:1997年7月
<内容・所感>
一言で言ってしまえば、徳川家最後の将軍、徳川慶喜の一生が書かれた本である。
幕末好きなら絶対に知っているこの人。個人的には好きな偉人トップ5に入る。
好きなところは、先を見通す力があり、常識にとらわれず、おしゃべり上手で遊び好きなところ。
ただ歴史が好きではない人にはあまり馴染みのない名前かと思われる。徳川初代将軍は誰でも家康だと答えるけど、最後の将軍は意外と知らない人が多いんじゃないのかな。
確かに天下を統べた家康は凄い。では慶喜の何が凄いのかと言うと、265年続いた江戸幕府を終わらせたことにある。ちなみに江戸幕府は一番長く続いた幕府で、ペリーが来るまではとても平穏だったらしい(諸説あると思います)。
何事も長く続けることは凄いと思うけど、265年続いたものを皆の将来の為に終わらせることも凄い勇気だと思う。例えば自分が曾おじいちゃんの代から続く店に生まれて、4代続いた店を自分の代で終わらせるとなれば、それは凄いストレスだ(この例えが適切かは知りません)。
ちなみに慶喜は幕府を終わらせるときに朝敵(簡単にいうと国の敵)になった。これはこの時代にとっては、一生の傷になる。それを受け入れ、日本の為に(実は慶喜自身の希望でもあった)幕府を終わらせた決断は明治に入ってから評価される。(ちなみに幕府を終わらせるための案は、坂本龍馬が考えたと言われている。)
慶喜は大正まで生き延び、「ただ衰弱を覚える。しかし苦しさは去った」という最後の言葉を残し77歳でこの世をさる。
戦では一番実力のあるものが軍の最後を務める。幕府という長く続いた戦の最後を務めた男の人生を是非見てもらいたい。
